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この記事の要点
- 日本人配偶者がいると、賃貸の審査は大きく通りやすくなる。契約名義を日本人側にするだけで解決する場面が多い。
- ただし名義を分けると、本人が住民票を取れない・住所の証明ができないといった副作用が出ることがある。
- 来日直後は住民票も口座もない。手続きの順番は住居確保 → 転入届 → 住民票 → 口座で固定。
- 「配偶者等」の在留資格でも、賃貸の審査では収入と連絡経路が見られる。資格そのものが有利に働くわけではない。
- 結婚手続きと来日のタイミングがずれる場合、短期の受け皿を用意しておくと動きやすい。
いちばん多い誤解
「配偶者が日本人なら賃貸は問題ない」——おおむね正しいのですが、条件があります。
審査で見られているのは国籍ではなく、収入の安定性と、何かあったときの連絡経路です。日本人配偶者がいることで有利になるのは、この2つを満たしやすくなるからです。逆に言えば、日本人側に安定収入がなく、日本国内に親族もいない状況では、期待したほど楽にはなりません。
この記事では、日本人配偶者の側から見た住まい探しの実務を整理します。
契約名義をどちらにするか
まず決めるのがここです。
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| 日本人配偶者が名義人 | 外国人本人が名義人 | |
|---|---|---|
| 審査 | 通りやすい | 在留期間・収入を個別に見られる |
| 必要書類 | 日本人と同じ | 在留カード等が追加で必要 |
| 本人の住所証明 | 同居人として記載が要る | 契約書がそのまま証明になる |
| 離婚・別居時 | 本人が住まいを失いやすい | 本人に残る |
短期的には日本人側を名義人にするのが早いのですが、本人を「同居人」として契約書に明記しておくことを忘れないでください。ここが抜けていると、後で本人が住所を証明する場面——銀行口座、携帯電話、在留資格の更新——で説明が必要になります。
来日直後の順番
結婚が成立していても、来日直後の本人は住民票も銀行口座も持っていません。手続きの順番は固定です。
- 住むところを確保する
- 入居後14日以内に市区町村へ転入届を出す
- 在留カードの裏面に住所が記載される
- 住民票を取得する(世帯として日本人配偶者と同一世帯にする)
- 銀行口座を開設する
- 携帯電話を契約する
すでに日本人配偶者が住んでいる部屋があるなら、1は解決済みです。問題になるのは、結婚を機に二人で新居へ移る場合や、日本人側が実家に住んでいて同居できない場合です。
単身向け物件に二人で住めない
日本人配偶者が単身用の部屋に住んでいる場合、契約上は入居人数が制限されていることがあります。無断で二人暮らしを始めると契約違反になり、退去を求められることがあります。まず管理会社に人数変更を届け出てください。
結婚手続きと来日のタイミング
実務でよくあるのが、この2つがずれるケースです。
- 母国で結婚手続きを済ませ、在留資格認定証明書の交付を待っている
- 先に来日して、日本で婚姻届を出す予定
- 交付は下りたが、日本人側の転職・転居と重なった
いずれの場合も、数週間から数か月の「どこに住むか未確定」の期間が生まれます。ここで一般賃貸を契約しようとすると、初期費用が二重にかかったり、入居日と来日日が合わなかったりします。
短期で使える受け皿——家具家電付きで、初期費用が抑えられ、契約期間の縛りが緩い住まい——を1つ知っておくと、この期間を乗り切れます。
新居を借りるときの費用
二人で新しく部屋を借りる場合、家賃78,000円のワンルームでも初期費用は次のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 敷金 | 78,000円 |
| 礼金 | 78,000円 |
| 仲介手数料 | 85,800円 |
| 前家賃 | 78,000円 |
| 火災保険料 | 20,000円 |
| 鍵交換費用 | 16,500円 |
| 保証会社利用料 | 39,000円 |
| 合計 | 395,300円 |
二人暮らし向けの1LDK以上になれば、家賃が上がるぶん初期費用も比例して増えます。加えて、母国から呼び寄せる場合の渡航費や、家財の購入費も同時期に発生します。
ここで無理をして貯蓄を使い切ると、その後の生活立ち上げ——在留資格の更新費用、日本語学校の費用、就職活動の期間——で余裕がなくなります。最初の半年は身軽にしておくという選び方も検討に値します。
本人が働き始めるまでの期間
「日本人の配偶者等」の在留資格には就労制限がありませんが、実際に仕事が決まるまでには時間がかかります。日本語能力、資格の読み替え、通勤圏の問題。半年から1年を見ておくのが現実的です。
その間の家計は日本人側の収入で回すことになります。家賃の水準を決めるときは、二人の収入ではなく一人の収入で回るかで判断してください。共働き前提で家賃を決めて、就職が長引いて苦しくなる例はよくあります。
よくある質問
日本人配偶者が名義人なら、外国人本人の書類は不要ですか。
同居人として在留カードの写しを求められるのが一般的です。契約書に本人の氏名を記載してもらってください。記載がないと、後で住所の証明ができず困ります。
住民票は同一世帯にすべきですか。
在留資格の更新などで婚姻の実態を示す場面があるため、同一世帯にしておくほうが説明が簡単になります。市区町村の窓口で相談してください。
実家に同居すれば費用は抑えられますか。
抑えられますが、住民票上の住所と実態を一致させる必要があります。また在留資格の審査では居住実態が見られるため、形だけの住所登録は避けてください。
来日前に部屋を決めることはできますか。
WEBで契約が完結する住居サービスなら可能です。一般の賃貸仲介では内見や来店を求められることが多く、本人が海外にいる段階での契約は難しいのが実情です。
まとめ
日本人配偶者がいる場合、賃貸の審査そのものは大きな障害になりません。むしろ実務で問題になるのは、タイミングのずれと本人の住所証明の2点です。
契約名義を日本人側にするなら、本人を同居人として契約書に明記する。来日と新居のタイミングがずれるなら、短期で使える受け皿を先に確保しておく。そして家賃は、二人の収入ではなく一人の収入で決める。この3つを押さえておけば、生活の立ち上げはずいぶん楽になります。
手続きの要件は自治体や貸主によって異なります。在留資格に関わる判断は出入国在留管理庁または行政書士にご確認ください。