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この記事の要点

  • 外国人1人を受け入れる住居コストは、初年度で約125万円(借り上げ社宅・家賃78,000円想定)。
  • このうち初期費用395,300円は入社前に現金で出ていく。採用予算の組み方を間違えるとキャッシュが先に詰まる。
  • 初期費用を定額に抑えた住居サービスを使うと初年度は約51万円。1人あたり約74万円の差
  • ただし早期離職すると、初期費用は回収できずそのまま損失になる。在籍見込みが短いほど、初期費用の軽い方式が有利
  • 住居費は採用単価の一部として、求人広告費や紹介手数料と同じ枠で見るべき費用。

住居費は「福利厚生」ではなく「採用コスト」

外国人採用の予算を組むとき、住居費が抜け落ちていることがあります。求人広告費、人材紹介手数料、在留資格申請の委託費——ここまでは計上されているのに、住まいは「あとで考える」枠に入っている。

ところが実際には、住居費は採用1件あたりのコストとしてかなり大きな比率を占めます。しかも支出のタイミングが入社前です。売上に貢献する前に、まとまった現金が出ていく構造になっています。

この記事では、家賃78,000円のワンルームを想定して、方式別に初年度コストを並べます。

方式1:借り上げ社宅(一般賃貸)の初年度コスト

会社が賃貸借契約の名義人になる、もっとも一般的な方式です。

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項目 金額 発生時期
敷金 78,000円 契約時
礼金 78,000円 契約時
仲介手数料 85,800円 契約時
前家賃 78,000円 契約時
火災保険料 20,000円 契約時
鍵交換費用 16,500円 契約時
保証会社利用料 39,000円 契約時
初期費用 小計 395,300円 入社前
家賃(12か月) 936,000円 毎月
家具・家電の初期購入 100,000円前後 入居時
初年度 合計 約1,431,300円

前家賃が初期費用に含まれているため、家賃12か月分と重複しないよう調整すると、初年度の総額はおおむね1,248,000円+家具家電という水準になります。

重要なのは金額そのものより、約40万円が入社前に出るという点です。5人同時に採用すれば、着任前に200万円のキャッシュアウトが発生します。

方式2:初期費用を抑えた住居サービスの初年度コスト

家具家電付き・初期費用定額のサービスを使った場合です。

項目 金額
初期費用 30,000〜50,000円
月額(38,000円台から) 456,000円〜/年
家具・家電 0円(付属)
初年度 合計 約506,000円

差額は1人あたり742,000円

採用人数 借り上げ社宅 住居サービス 差額
1人 1,248,000円 506,000円 742,000円
3人 3,744,000円 1,518,000円 2,226,000円
5人 6,240,000円 2,530,000円 3,710,000円
10人 12,480,000円 5,060,000円 7,420,000円

同条件ではありません

この比較は部屋の広さ・立地・設備が同じ前提ではありません。住居サービスは都心から一定の距離があるエリアや、シェアタイプの部屋を含みます。金額差の一部は条件差です。「安いほうが得」ではなく「どの条件なら許容できるか」で判断してください。

初期費用を定額に抑える選択肢

家具家電付き・保証人不要。法人利用の実績は700社以上です。

費用と条件を確認する

早期離職したときの損失

初期費用は、在籍期間で割って初めて意味のある数字になります。

在籍期間 初期費用の月割(借り上げ) 初期費用の月割(サービス)
6か月で退職 約65,900円/月 約8,300円/月
1年で退職 約32,900円/月 約4,100円/月
3年在籍 約11,000円/月 約1,400円/月
5年在籍 約6,600円/月 約800円/月

3年以上の在籍が見込めるなら、借り上げ社宅の初期費用は月あたり1万円程度まで薄まります。逆に1年未満で入れ替わる想定なら、初期費用が家賃に対して重すぎます。

採用のたびに定着率を見直すのではなく、定着率の実績から住居方式を決める。この順番のほうが、判断がぶれません。

退去時に発生する費用

見落とされやすいのが退去時です。借り上げ社宅では次の費用が発生します。

  • 原状回復費用(敷金から充当し、超過分は請求される)
  • ハウスクリーニング費用(契約で定額としている物件が多い)
  • 契約期間内の解約による違約金(1〜2か月分の設定がある)
  • 残置物の処分費用(本人が帰国した場合)

入居時の40万円だけを見て予算を組むと、退去のたびに想定外の支出が出ます。人数が増えるほど、退去は毎年発生するイベントになります。

退去・異動のたびのコストを減らす

拠点間の移動に対応したサービスなら、配置転換のたびの解約・再契約が不要になります。

サービス内容を見る

予算計上のしかた

実務的には、採用1件あたりの単価に住居費を組み込むのが分かりやすい形です。

費目 タイミング
求人広告費・紹介手数料 採用決定時
在留資格申請の委託費 入社前
住居の初期費用 入社前
家具家電 入居時
家賃補助・社宅家賃 毎月
退去時費用 離職時

この6項目を1枚にしておくと、採用計画の人数を変えたときにコストが自動で見えます。住居費だけ別管理にしていると、人数を増やした瞬間にキャッシュフローが合わなくなります。

よくある質問

社宅として貸与すると税務上どうなりますか。

一定の賃料相当額を本人から徴収していれば給与課税されない扱いがあります。現金で住宅手当を支給する場合は原則として給与課税の対象です。設計前に税理士へご確認ください。

初期費用を本人に貸し付けて給与控除するのは可能ですか。

運用している企業はありますが、賃金の全額払いの原則との関係で労使協定などが必要になる場合があります。社会保険労務士にご相談ください。

年齢制限のあるサービスがあると聞きました。

入居対象を18歳から49歳までとしているサービスがあります。中堅・シニア層の受け入れには使えないため、採用ターゲットと合わせて確認してください。

家族を呼び寄せる予定がある場合は。

ワンルーム前提のサービスは早晩合わなくなります。帯同の見込みがあるなら、最初から一般賃貸の借り上げで設計したほうが二度手間になりません。

まとめ

外国人1人あたりの住居コストは、借り上げ社宅で初年度約125万円、初期費用を抑えたサービスで約51万円。差額は約74万円です。

ただしこれは条件差を含んだ数字であり、どちらが正しいという話ではありません。判断の軸は在籍期間の見込み勤務地が動くかどうかの2つです。定着率が読めない立ち上げ期は初期費用の軽い方式で始め、実績が積み上がってから借り上げ社宅へ移す。この順番なら、固定費を先に抱えるリスクを避けられます。

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記載の金額は執筆時点の一般的な相場をもとにした試算です。実際の費用は物件・エリア・時期によって異なります。

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